・近年の脳の研究では、視覚とは目のレンズに映っているものがそのまま脳によって見えているのではなく、色や形、動きなどがバラバラに情報処理されていることが明らかになっている。それらが最後に統合されて、記憶も使いながら、脳の後部で画像ができあがっているのだそうだ。中でも、真っ先に情報として抽出されるのが輪郭線である。現実には「輪郭線」という線は存在しないにもかかわらず、どこの国民の脳でも最初に抽出される。
・ふさふさした毛皮を持たないので、人間の皮膚はエッジに非常に弱い。トゲのある葉はもちろん、木の枝でも岩の角でもすぐに傷つく。陰影や色よりも、角がパッ見えないと危険だ。そのために視覚に入ったものから、角を最初に認知する視覚システムができた。