・元素の原子核のエネルギー準位を定めるのは「強い相互作用」と呼ばれる物理定数で、陽子と中性子をまとめて原子核を作り上げる「核力ε」で表されます。
・ε=0.007であることは、その核融合率が0.7パーセントであることを意味しています。たとえば太陽の燃料になっている中心核の水素は、核融合してヘリウムになるときに、質量の0.7パーセントをエネルギーに転換しているということです。
・仮にε=0.006とすると、そもそも陽子が中性子に接着されず、原子核が安定しなくなるでしょう。そうなれば、ヘリウムが合成されることもなく、宇宙には水素以外存在しません。
・ε=0.008ならば二個の陽子が中性子の介在なく結合してしまうため、ヘリウム2が存在するようになります。そうなれば、水素がすべてヘリウムに転化して存在しなくなるわけで、もちろん水もなく、やはり生命は存在できないでしょう。