なお、「幸せな無職」のロールモデルなら、ネット上でいくらでも見つけられる。ヒマを持て余したニートたちはブログやSNS、匿名掲示板に暮らしぶりを公開している。あなたが満員電車に押し込まれているときに、彼らは文庫本を片手にふらりと自転車で出かけている。あなたが嫌な上司に愛想笑いを向けているときに、彼らは友だちと一杯のコーヒーで語りあっている。あなたがくだらないサービス残業に身をやつしているときに、彼らは好きな映画を浴びるように観ている(旧作DVDなんて数百円で買えるし、友人間で貸し借りすればさらに安上がり)。いったい何のための人生か。誰のための一生か。