実際アメリカ経済の惨状は目に余るものがある。日本ではほとんど報じられていないその実態をいくつか紹介しよう。

■アメリカではいま大量のレイオフが復活している。『チャレンジャー・グレイ・クリスマス』のレポートによると、この7月だけで労働力削減数は6万6414人。前月よりも60%も増加した。医薬品、コンピューター、小売りなど、これまで労働力削減が少なかった産業でレイオフが起きたことがその理由。

■しかも一度解雇されると、〝復活〟するのが非常に困難。『ナショナル・エンプロイメント・ロー・プロジェクト』によると、求人広告の多くは「現在雇用されていなくてはならない」という条件付き。そのため失業者は長期にわたって職を得られないでいる。約630万人が6ヵ月以上も失業中で、このままレイオフが続けば貧困が蔓延し、破産が増加すると予測されている。

■さらに『ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズ・エコノミクス・グループ』の報告によると、平均的労働者は20週間職探しをした後、労働市場からドロップアウトしている。つまりは多くの人が政府や友人・家族の援助を受けていることになる。

■結果、アメリカ人は「ギリギリの生活」を強いられている。『ナショナル・ファウンデーション・フォー・クレジット・カウンセリング』のレポートによると、「予期せぬ1000ドル(約7万7000円)の出費が起きた時どうするか」という調査で、その額を預金口座から引き出せるのは、回答者の36%だけという結果だった。

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