今期は一局目から、負けたら落ちるという気持ちしかありませんでした。負けたらやばいってずっと思っていて、最初に3連勝くらいしても、ひとつ負けたら一気に落ちていくだろうなという感覚があって。だから、前向きなのか後ろ向きなのかは分からないですけど、落ちるなら戦って落ちたいと考えるようになったんですね。去年みたいに、戦いにすらなっていない中で落ちるんじゃなくて、戦って、敗れ去って落ちたいとだけ考えました。
4年前、最終戦で阿久津(主税八段)さんと自力昇級の一番を戦ったんですけど、全く指し手が伸びなくて、弱気になって手が縮こまっていた。自分の本当の実力が出るのってそんな時なんですよね。自分の将棋って、実は気持ちの弱い将棋なんだなって感じたことを、どこかで払拭しなきゃいけないとずっと考えていました