マーカス・サミュエルという名前を知ってますか?
ほとんどの人はピンとこないと思いますが、世界的に有名な貝殻マークの
シェル石油の創始者だと言えば、あーと思い出す人もいるかと。
そしてこのシェル石油ですが、実は日本で生まれてたことを知ってる人も
あまりいないのではないでしょうか。ロンドンで貧しい行商人の息子として1853年に生まれた彼は、19歳の
時に父親が乏しい収入の中から貯蓄したお金で単身アジアへ修行の旅に
出される。明治5年、横浜に着いた彼の所持金は僅か5ポンド(現在の価値
で5万円ほど)で、頼るものは一人もいなかった。
その内に湘南の浜に辿り着いたこのユダヤ人は、日本人の漁師や女性が
砂を掘り貝を獲っているのを目にする。貝は食用とされ貝殻は捨てられて
いたが、サミュエルはその貝殻を集めてボタンや装飾品、玩具を作ることを
思いつく。日本の職人に細工をさせた見本をロンドンの父親に送ると
飛ぶように売れ、しばらくすると父親は大きな専門店を持つに至った。
1886年、33歳になった彼はサミュエル・マーカス商会を創業。
日本の雑貨をイギリスへ輸出するだけでなく、日本に工業製品を輸入したり
日本の石炭をマレー半島へ、米をインドへ売るなどアジアを相手に商売を
拡大していた。そして、1892年に石油業界に参入。手始めにロシアから
石油を買い付けた。しかし、いかに効率よく石油をロシアから世界各地の
消費国に運輸するかが悩みどころだった・・・・・・当時の世界では5ガロン缶が用いられていた。これにいちいち石油を詰め
運ぶのは、無駄な場所を取るうえに積み降ろしに手間がかかる。
そこで彼は、船全体が一つの浮かぶ油槽となる専用船を建造する。
世界で最初のタンカー船だった。
サミュエルは一隻目のタンカーを「ミュレックス」と命名する。
アッキガイのことだ。
自分が湘南の浜で拾った貝の名だと、彼は言った。
2008-12-11 (via gkojay) 2010-04-17 (via gkojay) (via shinoddddd) (via petapeta) (via alipeyoff) (via skamio) (via sierra7) (via zaiga) (via ipodstyle) (via yaruo) (via yukio) (via susue)