つまり、今回の試算でわかったことは、「5000万円のマンションを買うのであれば、もしそれを借りた場合に家賃を月額30万円以上払っても納得できるような物件でないと、少なくとも経済的には損だろう」ということです。でもそんな物件ちょっと見当たらないですよねえ。せいぜい高めでも25万円程度の価値しかないような気もします(25万円でも私には払えませんが)。家賃が月額25万円(年間300万円)で経費が変わらず75万円だったとすると利回り6%の場合、(300万円−75万円)÷6%=3750万円の価値しかありません。それだけ一般消費者まで降りてくるような物件は、割高ということでしょうか。もしそうならばもっと安い家賃の賃貸物件の方がいいやという感じがします。
なお、利回り6%もいらない、減価償却後の損益ないしNCFがプラスなら借りるより得なんだからいいじゃんという方もおそらくいるかと思います。しかし、不動産の投資利回りにそれなりの高い水準が求められるのは、不動産を持つということには、それだけ大きなリスクがあり、そのリスクに見合うだけの高いリターンが期待できなければ割りに合わない、損だ、買う必要はない、不動産のプロないしマーケットはそう考えているわけで、金融理論上も理にかなっています。