逆に、消費税を上げてしまうとただでさえ縮小している消費が更に減少する。また、中小企業のほとんどが赤字だから、法人税には影響はないが消費税負担が増える(細かく書けないが人を雇って商売をする限り消費税課税仕入れとならない人件費分は企業は必ず損となる。ここが消費税のからくりだと思う)。そして、ここにさらに大きなからくりがあるわけだが、大企業の中でも輸出産業は消費税は還付として国家から返ってくるいわば、「輸出戻し税」という税金ではなく助成金優遇制度があること知っている人は少ない。
トヨタ自動車が1兆円の利益を出したとき実は2000億円近くはこの助成金だったことは意外と知られていない。
もし、これが消費税10%になったときどうなるのだろう?
それこそ、内需産業(主に中小企業と個人)から更に富を吸い上げた上に、その富は一部の産業に補助金として還付される。そして、その富の幾分かは配当として国外に流出してしまううえに、法人税まで下げてしまえば更に税収は下がってしまう。これが96年の橋龍改革の時の失敗経験だ。わざわざ、もう一回同じ過失をする必要はないだろう。
法人税が高いと外資系企業が日本に入ってこないという主張があるが、これはまやかしだと思う。税金というのは法人税だけではなく、消費税、法人住民税や事業税、固定資産税など様々である。実は消費税などの還付が戻ってくる輸出産業の実効税率は20%前後で、世界で最も安いとも言われている。その一方、中小企業などだと100%を越えてしまったりもしているわけだ。