どうやらニュートリノが光速を超えた話はダメになりそうな気配です。
この論文に実験解析のエラーが指摘されています。
http://arxiv.org/abs/1110.2685
実験では、732km離れた発射地点と観測地点の両方の時計を、GPSで合わせていました。上記論文の著者ファン・エルブルク氏によると、どうもOPERA実験チームの解析では、GPSを積んだ衛星の運動の相対論的効果を入れ忘れていたらしい。それを考慮すると、ちょうど64nsecだけニュートリノが遅く到着してる勘定になる、というのです。
つまり残念ながら、ニュートリノの速度は測定精度内で光速と同じ、という事になりそうです。
前にも書きましたが、普通の物理屋にとってこの話で一番つらかったのは、「質量のあるニュートリノが質量のない光より速い」という点でした。歳をとって太ってきたのにいよいよ足が速くなった、みたいな。