日本はギリシャとは違って資金過剰なので、今のところ国債の価格は安定している。また国債の保有者の90%以上が国内居住者なので、ギリシャのように海外の債権者が国債を売って価格が暴落するといった事態は、今のところ考えにくい。しかしあと5年ぐらいで日本の個人金融資産は国債に食いつぶされ、外債を募集しなければならない。その前後から長期金利が上がる(国債価格が下がる)おそれが強い。
長期金利が上がると、国債を大量に保有している金融機関が含み損を抱える。日本銀行の調べによると、長期金利が1%ポイント上がると、銀行の保有している国債の評価損は9兆円にのぼる。これは邦銀の2010年度の業務純益3倍を超え、自己資本に対する金利リスク(1%ポイント)の比率が30%を超えているので、金利が3%以上あがると債務超過になる。しかも大手行の金利リスクが4兆円なのに対して、地域銀行(地銀・第二地銀)のリスクは5兆円を超える。