JavaScriptやCSSなども含めた広義のHTML5は、元々ホームページの文書構造を設計するマークアップ言語「HTML」から発展したものだ。HTMLは比較的簡単なコンピュータ言語であり、プログラミングの専門知識を持たないウェブ・デザイナーが主に使ってきたものだ。従って、それが発展したHTML5も、「C」や「Java」のような本格的プログラミング言語よりも使い易い(JavaとJavaScriptは名前は似ているが、実際は異なるコンピュータ言語である)。このためHTML5が普及すれば、アプリケーション開発者の裾野が大幅に広がると期待されている。

 「(高度な機能を簡単な命令セットに集約した)ライブラリを使えば、ウェブ・デザイナーでもアプリケーション・プログラムを開発できるようになった。それどころか、我々がプログラミングの社外講習会を開いた際、プログラミングはおろか『ウェブって何?』というような全くの素人にHTML5を教えたところ、3時間位でゲームを一本作れるようになった」(柿添氏)

 その一方でHTML5には、これまで技術的な限界が指摘されてきた。すなわちスマートフォンでちょこっと遊ぶカジュアル・ゲーム程度のものなら作れるが、本格的なゲーム機の上で動くドラクエのような大作、あるいはMMORPGのような大規模オンライン・ゲームはHTML5ではできない。これは確かに事実だが、最近ではサーバー側の技術革新も相まって、HTML5で作れるゲームの水準も相当高くなっている。例えば「node.js」と呼ばれるサーバー側のJavaScript機能や、「Web Socket」と呼ばれるサーバー、ブラウザ間のリアルタイム通信機能を使えば、MMORPGほど本格的ではないが、疑似的な対戦型ゲームも構築できるようになった。

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