近現代の社会思想は性悪説が基本だ。ホッブズは自然状態は「万人の万人に対する闘争」だと言い、アダム・スミスは人は損得勘定で動くホモエコノミクスだと言い、ダーウィンは弱肉強食の自然淘汰が進化の原理だと言った。20世紀にはドーキンスが『利己的な遺伝子』を書いて科学的な論拠を強め、ゴールディングは無人島に漂流した少年たちの醜い争いをテーマにした『蠅の王』を書きノーベル文学賞を受賞した。そして多くの社会科学の実験がそうした性悪説を裏付けた、ように見えた。

更新情報知らせます はい 不要