1. 2字目と3字目は「転倒」がおきやすい
日本語の言葉の歴史をみると、そもそも文字を見たときに人間は「転倒」して認識しやすいということがわかります。もっと具体的に言うと、日本人は「かな(ひらがな・カタカナ)」で書いたとき、2字目と3字目を転倒して取りやすいのです。
例えば「あたらしい」という言葉は、昔は同じ意味で「あらたし」だったのです。また、現在は「さざんか」と読む漢字の「山茶花」は、その表記の通り読めば「さんざか」
ですよね。昔は「さんざか」だったのです。これらは2字目と3字目がきれいにひっくり返っています。このように2字目と3字目は変わってしまう、転倒がお
きやすいということを言葉の歴史が証明しています。ですから、2字目と3字目を転倒させると同じになってしまうような名前はつけないでほしい、絶対にやめ
るべきだと思います。
それから、「2字目と3字目」の次に「3字目と4字目」も転倒がおきやすいのです。ごみの収集車のアナウンスをよく聞いてみてください。「毎度おさわがせして・・・」「毎度おさがわせして・・・」両方のパターンを耳にします。しかし、私たちは何かへんだなと思いながらもそのまま聞いています。言葉に対する違和感の意識が乏しいのです。
もう1例。駅名の「秋葉原」はどう読みますか?「あきはばら」ですよね。でも元々は「あきばはら」だったのです。
私自身の経験でも「おことの教室」を「おとこの教室」と読み違えてしまったり、「ふじまめの花」を「ふまじめの花」と読み違えてしまい恥ずかしい思いをしたことがありました。話し言葉では到底間違えないことも、視覚では間違いが起こるのです。
このように転倒が起こりやすい部分は特に取り違えやすいのだ、という意識を持って名前をつけることが大事だと思います。
「言語学からみた間違いやすい薬剤名」 (via nakano)