飛車切りに印象的な手が多い藤井将棋です。一昨年の竜王戦5組ランキング戦決勝。石田直裕五段との終盤では先手石田五段の[先]7七歩に対して[後]同飛成と切り込んで勝利し、新戦法や新手を創出した棋士に贈られる升田幸三賞に輝いた。
出るか退くか、迷いそうな局面では踏み込む。そのイメージが強いのは他の棋士が読み切れない領域まで読み切る、読みの量に支えられていると感じます。限られた時間内で深く“掘る”方法は、多く読むか、不要な選択肢を手早く切り捨てるか。多く読むのは若い棋士がたけ、切る能力は経験を積むにつれて上達する。藤井棋聖の量を読む能力は、小学6年生から大人に交じって5連覇した詰将棋解答選手権で実証されています。