最近、ある大学で話をし、そこでアンケートをとった。質問内容は「あなたは将来自分がホームレスになる可能性があると思いますか」。私の手元に戻ってきた62枚のアンケート用紙のうち、実に37枚が「イエス」という回答だったのには驚いた。そこには「新卒で正社員として就職できなければ、良くてフリーター、悪くてホームレス」などのコメントが書き添えられていた。格差社会は金銭的な「格差」を産むだけでなく、「若いうちに何かに挑戦してみよう」という「若気の至り」的なチャレンジ精神すらも阻害する。最近、大阪である若者と話した時もそれを感じた。彼は「やりたいこと」があり、アルバイトしながら夢を追いたいと思っているが、現在のネットカフェ難民などの惨状を見るにつけ、とても迷っていることを話してくれた。私の周りでも、バイトしながら夢を追い大成功した人もいれば、ネットカフェ難民となってしまったり、或いは自ら命を絶ってしまった人もいる。本当に、残酷なほどに「天国」と「地獄」が分かれてしまうのだ。そうして「夢を追ってホームレスになりました」というような人に、この国の人々はものすごく冷酷だ。だけど、「やりたいこと」をやろうとするその時に、ある意味で「ホームレス化」まで覚悟しなければならないなんて、やっぱり異常なことではないのだろうか。

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