・史上最悪の原発事故は1986年、ウクライナのチェルノブイリで起きた原子炉の炉心融解(メルトダウン)事故である。当初、一万人が被曝により死亡すると推定されたが、2006年までの死者は100人足らずだった。

・チェルノブイリが作り上げた悲惨な荒廃は、その原子炉から出てきたものではなかった。むしろ、人間の心から出てきたものだ。慌てふためいた企業のオーナーたちは撤退し、失業と貧困が急増した。そこを離れるほど裕福でない住民の間で不安、鬱病、アルコール依存症、自殺が蔓延した。胎児が汚染されたことを恐れて、10万件以上の中絶が行われた。放射能による被害は、放射能の恐怖から派生する被害よりも小さかった。

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