なぜ部屋が散らかったままになってしまうのかと言いますと、一言で言えば寂しいからです。たとえゴミであっても自分のそばに居てもらいたいのです。ですから、逆にきれいに片づいた部屋や整理整頓された部屋にいると、妙に落ち着かないと言いますか、心の座りが悪いような、あるいは自分の部屋ではないような感じや、見捨てられたような寂しさと言ったようなものを感じてしまいます。自分の部屋が自分の部屋らしくあるためには、ある程度散らかっている必要があるのです。脱ぎっぱなしのまま置いてある服や靴下、読んだまま放り出してある新聞や雑誌、食べ終わったコンビニ弁当やカップヌードル、ジュースの空き缶、空になったペットボトル、吸い殻で一杯になった灰皿、ゴミ箱に向かって放り投げたけれども命中しなかったゴミ、そういったさまざまな物が存在していた方が、孤独感や寂しさが少しは和らぐのです。