・選択的かつ一時的に脳の一部の機能を止める技術がある。経頭蓋磁気刺激法(TMS)というもので、収束磁場を利用して標的となるニューロンの電気的発火を消す。この効果は1時間以上続く。比較的新しい方法だが、うつ病、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)、偏頭痛など多様な問題の非侵襲的な治療法として利用されている。
・サヴァンではない人に一時的にサヴァンのような芸術的能力を誘発させることに成功している。被験者の左側側頭葉の機能を止めると、記憶から正確な絵を再現する能力が向上し、スクリーンに点滅する点の数を瞬時に数えることができるようになる。
・19世紀ではまだ、「サヴァン」という用語は現在とはまったく異なる意味合いをもっていた。当時は、サヴァンというのは学識のある者に与えられる最も栄誉ある呼び名だった。現代では、「サヴァン」は知的な偉業を達成したことを示す学術用語から、普通ではないこと、症候群の名称へと変わってしまった。