これは微生物屋には有名な話なのですが、ミツカングループが「におわなっとう」という製品を出していることをご存知でしょうか?
納豆 金のつぶ におわなっとう 3P|ミツカングループウェブサイト
この製品は10年ほど前に売り出された製品で、「納豆特有のにおい」が従来製品に比べ格段に抑えられており、現在までに十億食を売りあげる大ヒットとなりました。そのため他のメーカーもこぞって臭わない納豆の開発に向かったことで有名ですが、この製品の開発の影で遺伝子組み換え技術が使われていたことを知るものはそれほど多くありません。この製品では、当初遺伝子組換えによって臭いの少ない菌を育種していたのですが、遺伝子組換え技術に対する世間の反発を懸念して、わざわざ自然界から20000株の納豆菌をスクリーニングしなおして、その中から臭いの少ないものを選抜、育種して使っています。
遺伝子組換えの株とスクリーニングしなおした株は、同じ遺伝変異を持っており、どちらを使おうと製品の品質に違いはありません。遺伝子組換えという技術に対して消費者の反発が存在するため、わざわざ二度手間をかけたという、バイオ者にとってはあまり笑えない笑い話です。
幻影随想 – 「ビタミンAがなければ、リンゴを食べればいいじゃない」byヴァンダナ・シヴァ (via do-nothing) (via otsune) (via ichimonji) (via yaruo) (via dragogazer) (via firebum) (via vmconverter) (via cohappy)