フランス人のほとんどが、夏季に連続1ヶ月ほどの休暇を取得する。フランスの法律では、休暇は連続5週間まで取得可能となっている。

日本ではなじみが薄いが、フランスでは経営者も従業員も学生も[2]、皆がそのような連続休暇を当然の権利として取得し、仕事や学業から完全に解放されて思い思いの休暇を過ごす。[3]

バカンスは、日本人による団体旅行のような短期の周遊・回帰型の移動と異なり、一般にゆったりと数週間にわたる長期滞在型休暇を楽しむものである[4]

例えば、アルプスの山中のコテージに家族で滞在し、眺望や土地の美味、ハイキングを楽しむ。あるいは南フランスの民家を数週間借りて[5]、田舎暮らしを楽しむ。

地中海沿岸やオセアニア東南アジアのリゾート地に数週間滞在し、ひたすらマリンスポーツや乗馬を楽しんだり、毎日ビーチに寝そべって「何もしないでいる贅沢」を堪能する。

スポーツ好きは、好適な場所に数週間滞在して毎日思う存分パラグライダーで飛行したり、タヒチに滞在してダイビングを堪能したり、アフリカやアジアの山に挑戦する事もある[6]

パリは、緯度としては北海道あたりに相当し[7]、冬が長い。そして石畳、建物の壁など石造りの部分が多く、生粋のパリっ子でもそれを寒々しく感じることは多い。したがって毎年バカンスの時期には、太陽の光と暖かい風を求めて、パリとその近郊の住民が高速道路を使い一斉に南フランスへと移動を開始する。当然ながら大渋滞となり、冗談めかして『民族大移動』と呼ばれたりする。

連続1ヶ月の休暇は、時としてその後の人生を変えるほどのインパクトを持つ。バカンスの期間中は普段はない出会いも多く、「ロマンス」が多く生まれ、結婚にまで繋がることもある。そのため、「フランス人は一年の大半を次のバカンスをどのように過ごそうか考えながら暮らしている」「フランス人はバカンスのために生きている」とすら言われる。

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