組織に強烈なヒエラルキーがあり、上から管理されて新しい発想が押さえ込まれるような風土の中では、イノベーションは起こりません。

 私は、日本企業の成長を妨げている最も重大な要因は組織のヒエラルキーだと思います。自分より役職が高い人の意見に無条件で従いがちな文化がある。もちろん、欧米の会社にもヒエラルキーは存在します。しかし、立場を超えてファーストネームで呼び合う文化があり、尊敬語を使うことが義務付けられていないので、日本企業よりも上司を身近に感じられることは事実ではないでしょうか。

 社長や役員のことを日本語で「偉い人」と表現するのは、その象徴です。これは考えると、おかしな表現ではありませんか。同じ目標に向かってそれぞれが自分の仕事をしているのに、組織内の立場が上がるだけで何が偉くなるのか。上司や年長者を敬うことは大切ですが、役職の違いは役割の違いにすぎません。役職者だから偉い、平社員だから劣るということではないのです。

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