「我々の競争相手は、携帯電話によって当社の市場シェアを奪ったわけではなく、完璧なエコシステムによりそのシェアを奪った」(Our competitors aren’t taking our market share with devices;  they are taking our market share with an entire ecosystem.)

 この言葉は、携帯電話会社ノキアのCEOを努めたスティーブン・エロップによるものだ。これを機に、エコシステムの存在が注目を浴びるようになった。

 エコシステムの構成要素としては、自社、顧客、市場仲介者(エージェント)である流通業者、補完業者、サービス提供者、サプライヤー、さらに株主、政府機関、規制当局、標準化団体、競合企業も包括される。

 エコシステムの特徴は、第1に、事業を単一産業ではなく複数産業の視点で捉えることの重要性を示したことであり、第2に、企業間の競争や協調(協働)という相互作用を通じて、相互の「共進化」する視点を示したことである。

 エコシステムを「階層では完全にコントロールされず、相互補完性の程度が多様かつ一般的でないアクターの集合」と定義している。

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