マイクロソフトは反トラスト法訴訟で苦難を味わったあと、反トラスト法違反の密告者の役割をときおり引き受けてきた。11年には実際に、グーグルが「市場での優位性を定着」させようとしているとして、欧州連合(EU)に提訴している。
グーグルに対する提訴はのちに取り下げられたが、マイクロソフト社長のブラッド・スミスは昨年、今度はアップルが“門番”としての立場を利用して開発者に高額の料金を請求していることを批判した。スミスはまた、米連邦下院委員会がほかの巨大テック企業に関する報告書をまとめた際に、調査官に概要説明をしている。
さらにマイクロソフトは、アマゾンが米政府から「JEDI(ジェダイ)」と呼ばれる100億ドルのクラウド契約を獲得する可能性があると判明したとき、この取引は1社の企業に与えるには報酬が大きすぎると抗議した。ところが、トランプ政権下の国防総省がアマゾンとの契約を退けて代わりにマイクロソフトと契約すると、マイクロソフト関係者は突然、1社がこのすべてを請け負うことが理にかなっていると考えを改めたようだ。