1913年にフランスの農業工学者マックス・リンゲルマンが発見した現象は、ウェブ会議が失敗しやすい理由を説明している。リンゲルマンは、まずチームで綱引きをさせた。次に、一人ひとり個別に同じ綱を引かせた。すると、チームで綱を引くときよりも一人で引くときのほうが、個人は力を出すことがわかった。
これは「リンゲルマン効果」と呼ばれる。集団が大きくなればなるほど、個々人は成功を実現させる責任を感じなくなるのだ。自分は任務の成功に不可欠だと感じていないと、関心が薄れたり、力を出し惜しみしたりしやすい。どうせ誰も気づかないだろう、というわけである。