ドコモの立場からiモード立ち上げ時のいきさつを記述した本。

  • 著者はリクルートで雑誌を作っていた人物だが、
    何故かドコモにリクルートされて
    昔の知り合いの夏野氏を引っぱってきてiモードサービス立ち上げにかかわった。
  • ドコモは最初はマッキンゼーの連中を交えてサービス仕様を決めようとしていたらしいが
    最終的には松永氏/夏野氏の意見で押し切ったらしい。
    このおかげで、メールが250文字しか書けないとか
    出鱈目なメアドとか
    ドコモ認定サービスとそれ以外を激しく差別するとかいった
    数々の困った仕様が決定されたようである。
  • 「iモード」という変な名前も松永氏の発案らしい。
    最初にこの名前を聞いたときは激しく違和感を感じたものだが、私はいまだにこの名前には馴染むことができない。
  • 夏野氏は、銀行やZagatのようなサービス提供者を
    「詐欺士のように」集めてきたのが大きな功績らしい。
  • 300円というサービス料金は、
    「1000円じゃ高いし、500円だと1000円に近い印象だから
    300円ぐらいでいいんじゃない?」というノリで決めたらしい。
  • 実機でテストして不具合をみつける「デバッグ」作業を頑張ったと書いているが、
    それは「デバッグ」じゃなくて、誰でもできる「テスト」である。
    用語は正確に。
  • 自分達やドコモ技術者の苦労について沢山書いているのだが、
    メーカが端末を開発した苦労とか、
    Compact HTMLの仕様やブラウザの開発に関する話などは一言も書かれていない
    あくまでドコモがいかに頑張ったかということだけ書いてある。
  • 1000万かけて社内に「クラブ真理」というスペースを作り、
    高級酒を飲んでくつろぎながらアイデアを出したりしていたらしい。
  • 同僚の笹川という人物は大物右翼の親族だそうで、その豪邸を使った接待の話も書いてあった。
    こういう人物の世話になって喜々としている神経も不快である。

驚くべき殿様商売を疑問も持たずに素直に書いてることにおおいに驚いた。
アンタいったい何様デスカ? メーカの開発者が聞いたら腰を抜かすよ。
ドコモ端末は決して使うまいという意識を新たにしてしまった。

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