高層ビルの場合、エレベーターはかなりの速度で走っている。既に客を乗せて走っているエレベーターが他の客を乗せるために停止すると、減速→停止→再加速というステップを踏むことになるので、大きな時間のロスとなる。だから、新たに到着した客を迎えに行くのは、(a) 近くにいて、(b)現在の速度が遅い エレベーターが担当するのがよいと言うことになる。

このアルゴリズムを実装するとどうなるだろう。簡単に言えば、既にトップスピードで動いているエレベーターは、できる限り途中の客を無視しようとする。他に適切なエレベーターがいれば、新たな客はそれに任せて、自分自身はなるべくトップスピードを維持し、目的階へ速く到着することを目指すのだ。

だから、エレベーターホールからそれぞれのエレベーターの現在位置がわかってしまうと、客は「あ、無視して通過された」と思ってしまう(まぁ実際そうなのだが)。もちろん他のエレベーターがフォローに来るのだが、一番速く来そうなエレベーターが自分を無視して行ってしまうのだから、これは怒る人もでてくるだろう。それが結果的に全体の待ち時間を減らすことになるとしても、お客さんに理解してもらうのは無理だ。

よって、効率のよいエレベーター運行のためには、それぞれのエレベーターの現在位置を客から隠すことが必要になるのだ。

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