入浴中の急死は日本特有の現象であり、米国や英国、ドイツ、フランスなどの他の先進国では見られない。その原因は、寒い時期は“熱い湯に長く”つかる日本式入浴習慣にあるらしい。
「日本式入浴習慣によって古典的熱中症を発症していると考えられます」
「熱中症には、元気な人が気温が高い中でスポーツや仕事によって体調不良に陥る『労作性熱中症』と、熱波に包まれた環境で過ごすことによる『古典的熱中症』があります。熱い風呂に入っていると、浴槽の中で体が熱をもらって古典的熱中症が起こる恐れがある。熱い湯から受けた熱によって血管が拡張して、血液が体表近くに滞留する。その結果、脳にいく血流が減って、ぼーっとなってやがて意識がなくなって溺れる、というパターンです」