本来なら「わが国の衛星をミサイルとして撃墜するような事態が起これば、ソウルや東京を一瞬にして無慈悲な灰燼(かいじん)に帰す無慈悲な鉄槌を、金正恩同志を抱く我らが人民軍は無慈悲に下すだろう」と言うべきところを、誤って「無慈悲な金正恩同志」と読み上げて放送した。
アナウンサーは「無慈悲な金正恩同志」という取り返しのつかないミスを犯したことに気づいた途端、声が震えはじめ、まもなく無音の状態が続いた。控えていた別のアナウンサーがあわてて原稿の残りを読み上げたが、その数分後、人民軍兵士2人がスタジオに乱入。一人が男性アナウンサーを羽交い絞めにし、もう一人がピストルで男性の頭部目掛けて発砲。男性はこめかみから血を流しながら、そのままデスクに崩れ落ちた。これら一連の様子は北朝鮮全土に生放送された。
その後放送は数分間中断。画面が再びスタジオに切り替わったとき、すでにアナウンサーの姿はなく、代わりにくまのプーさんのぬいぐるみが着席していた。