ロンドンの起業家オリ・バレットは、初対面の人と会うとき、相手と自分の共通項を浮かび上がらせるために、複数のフックを仕掛ける。たとえば「あなたはどんな仕事をしているのですか」という質問に、彼はこう答える。「私は人と人をつなぐことが好きで、教育部門で活動してきました。最近は哲学も勉強したいと考え始めています。でも一番楽しいのは、ピアノを弾くことです」
この答えには4つのフックが含まれている。情熱(人と人をつなぐこと)と職業(教育)、関心(哲学)、そして趣味(ピアノを弾く)である。
もし「教育関係です」とだけ答えていたら、相手が点と点を結びつける可能性は、きわめて小さいだろう。しかし、複数のフックがあれば、「奇遇ですね! 私は人と人をつなぐことを目指す会社を始めたいと思っていたのです。ちょっとお話ししませんか」といった答えが返ってくる可能性が高まる。