1896年4月10日に開催された第1回近代オリンピック・アテネ大会でのことだ。マラソンには17名ほどの代表選手が5カ国から参加し、コースは約40kmだった。優勝はギリシャ人の水運び人夫のスピリドン・ルイスで、タイムは2時間58分50秒である。
なぜ記録がわかるのだろうか。この歴史的なレースでは、スタート時にギリシャのマラトンの裁判官がストップウォッチを押した。そのストップウォッチは、なんと自転車でランナーより先にゴール地点へと運ばれ、3時間弱後にルイスがアテネでゴールしたときに記念すべきタイムを記録したのだ。