そもそも、アイオワやニューハンプシャーで勝利する「初速」が大事というロジックも、創業したばかりのスタートアップのように常に資金的に自転車操業にあるキャンペーン本部にとって、勝利の確度が上がることはその後の資金面を含めた好循環をもたらす、という前提に立っていたわけだが、その候補者自身がビリオネアであれば、その心配はなくなる。まさにトランプが2016年に取った策であり、しかも彼の場合は、私財で選挙戦を賄えれば政治献金者の個人的な意向に左右されることはないと主張し、「腐敗政治からの脱却」の実践例とまで言っていたくらいだ。