完全に一致するように並んだ同じ周波数シグネチャの2つの音波のフェーズ差はゼロで、これは「同相」と呼ばれる。2人でまったく同じことをまったく同時に話す時のように、同相の音波が1つになると、音量が2倍になる。
問題は、似たような周波数レンジの2つの音波の「位相がずれている」時に起きる。音波の位相が合わないと、お互いを打ち消し始めるのである。2つの音波が逆位相になる点まで達すると、完全に打ち消し合う。これを意図的に行っているのが、ノイズキャンセリングヘッドホンだ。
位相の問題は、ほとんどのビデオ会議で、他の人たちが何を言っているか聞こえないという事態を引き起こす。会話の音波を1つにまとめると、音波の異なる部分が打ち消され、ランダムに音量が上がったり、音波サイクルの中で同相と逆位相の間に騒々しい周波数が入り込んだりするからだ。