最後にアマゾンと出品者契約を交わした際、契約に価格の同等性条件が含まれていなかったことに大喜びしたという。「『これはすごい! ウォルマートやシアーズなど、ほかのどんなところでも値引き販売できるぞ』と思ったのです」
ところが、奇妙なことが起きた。彼の会社がほかのサイトで価格を下げると、アマゾンでの売り上げが急に減り始めることに気づいたのだ。
「商品ページを見てみると、『カートに入れる』ボタンも『今すぐ買う』ボタンもなくなっていました。代わりに『すべての出品を見る』という灰色のボックスが表示されていたのです。商品を購入することはできましたが、1回余計にクリックしなければなりませんでした。もう1回の追加のクリックは、アマゾンでは“永遠の時間”を意味します。アマゾンは即座に買えることがすべてですから」
さらに、会社の広告費は激減した。これはショッピングカートボックスのない商品の広告を、アマゾンがユーザーに表示しないからであると彼は気づいた。
「そこでわたしたちはどうしたと思いますか。ほかのすべてのサイトの価格を上げたのです。すると24時間以内には、すべてが元通りになりました。トラフィックが改善し、クリック数が増え、販売数も戻ったのです」