特に危機のとき、公衆衛生機関はすぐに大きな行動変容を実現したがる。すべての人があと2ヵ月の間、一人で家の中にこもって生活すべきだ、などと主張する。

 しかし、そのような大きな要求をしても、受け入れられないことが多い。自分たちがいま取っている行動との落差があまりに大きいため、その要求が心理学で言うところの「拒絶の領域」にはまり込み、拒絶されてしまうのだ。

それよりも有効なのは、最初の要求を小さくすることだ。はじめは少しだけ要求し、次第に要求を増やしていくのである。要求事項を細分化して、人々が対処しやすいサイズにする。

 政府は、ある面ではこの方法論を、すでに採用している。ソーシャル・ディスタンシングの期間をまず定めて、あとで期間を延長してきた。

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