地球外知的生命体探査(SETI:Search for Extraterrestrial Intelligence)の研究者たちは長年、フェルミのパラドックスへの回答をいくつも考えてきた。
「おそらく地球外知的生命体は、わたしたちが考えたよりずっとずっと少ないのだろう」
天の川銀河に存在する地球外文明の数はゼロから1億の間ということになる。
銀河系にはコミュニケーションをとれる地球外文明が少なくとも36は存在するはずだという。
われわれが地球外文明を見つけるまでには数百年かかり、最も近くにいる隣人は約17,000光年の距離にいそうだという。
「これまでは宇宙には生命体がいるはずだとかなり強気に考えられていましたが、最近はだんだん悲観的な見方もされるようになりました」
地球人が出現し、宇宙に電波を送り始めたのは、地球が誕生してから約45億年後のことだ。
「すべての地球に似た惑星が知的生命体を生み出すとは大きな仮定であり、大きな問題をはらんでいます」
「われわれの太陽系内で居住可能な範囲には火星もありますし、科学者によっては金星もそうだと考える人もいます。どちらも地球と同じくらい長く同じ位置に存在していますが、知的生命体は存在していません」
「地球外知的生命体の寿命、つまりその文明が通信する状態にある期間の長さが、この問題の最も重要なポイントなのです」と、ショスタクは言う。「『ドレイクの方程式』のほかのすべての条件は、どれほどの数の社会が生じるかについてのものですが、それらの社会はそれほど長くは通信する状態にないかもしれません。無線を発明すれば、まもなく水素爆弾を発明し、自滅してしまうからです」