ジャガイモやサツマイモを収穫してその場で料理できるエリアを設けたり、ポニーやウサギなど動物と触れ合える広場をつくったり、魚釣りができるポイントをつくったり、敷地内に元々あった池でカヌーを楽しめるようにしたり……はっきり言って、ほとんどお金はかかっていません。
特に秀逸なのはバギーです。1台30万円ちょっと。たとえ100台買っても数千万で済みます。コースはむしろ舗装せず、ブルドーザーで山を拓いて造成したオフロードコースのほうが面白い。バギーは10歳以上であれば子どもでも運転できますから、「初めて自分で自動車に乗る」体験を提供できる。このオフロードバギーは大当たりしました。
「何もない」ことこそが、「興奮」という人間の根源的な部分を突いて、都会から人を引っ張り出す武器だったのです。「大自然の冒険テーマパーク」――これが私たちの、半径150キロメートル以内で勝てるストラテジーでした。