1965年にノーベル賞を受賞した物理学者のリチャード・ファインマンは、ある日カリフォルニア工科大学の学生たちにこんな問題を出した。「いま教室を出て駐車場に行ったとき、最初に目にするクルマのナンバープレートが特定のもの、仮に『6ZNA74』である確率を求めよ」

数字とアルファベットの出現確率はすべて同等かつ独立して決まるという仮定のもと、学生たちは「確率は1,700万分の1以下である」と推定した。ところが、ファインマンは計算を終えた学生たちに、正しい確率は「1」であると明かした。ファインマンは授業に来るときに、そのナンバープレートを目にしていたのだ。

極めてまれなことも、すでに起きている場合はまれではないのである。

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