プロトタイピングは、新しいプロダクトやデジタルソリューションについて誰かを説得するためのものではありません。人々がどう反応するかをテストすることです。つまり体験のテストであって、機能を試すことではないのです。

こうしたデジタルテクノロジーの素晴らしいところは、人々との共創を容易にし、新しいデザインによって人々の日常を巻き込みながら、企業にとってはR&Dのコストを下げ、素早くプロトタイプすることを可能にすることです。企業は長期にわたって多額の投資をする前に、次の世代の何十億という人々にもたらす変化のポテンシャルについて、とても早い段階で問うことができ、おかげで失敗の数を減らしながら実際のマーケットへと送り出すことができるのです。

つまり簡潔に言えば、プロトタイピングによって人々を巻き込むことができます。デジタルテクノロジーと人々を巻き込んでプロトタイプすることで、体験というベネフィットが得られます。テクノロジーとデザインを融合するには、プロトタイピングを繰り返すことなんです。その後のステージでは、プロダクトの開発が中心となり、エンジニアリングやマーケット規模、ビジネスモデルといった話になりますが、人々にとってのヴァリュープロポジション(価値提案)をつくりあげるのは、もっと本当に早い段階になるのです。

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