ある金持ちが、死期が近いことを悟り、死後に自分が天国に行けるよう、配慮した。彼は、カトリックの神父とプロテスタントの牧師とユダヤ教のラビを呼び、それぞれに1万ドルを渡して、天国に行けるよう祈ってもらった。3つの宗教のうちのどれかの天国には行けるだろうと考えたのだ。そして、残りの財産を息子たちに残した。
だが、その後、天国に行った後で金が必要になるかもしれない、と思い至る。そこで、先の神父、牧師、ラビに、渡した1万ドルのうち2千ドルは自分の柩に入れるよう頼んだ。3人はそれを了解した。
そして男は亡くなった。
葬式当日。
まず神父が来て、約束の2千ドルの札束を柩に入れた。続いて、牧師も同じように2千ドルの札束を入れる。最後にラビが来て、6千ドルと書かれた小切手を柩に入れ、神父と牧師の入れた4千ドルの札束をおつりとして持っていった。