どのゲーム機も音がひどかった。「ピッボ、ピッボ」という原始的なビープ音で、音の強弱や和音すら満足に表現できていなかったのです。

 一方、同じ頃、ヤマハからはFM音源を内蔵した「DX-7」や、KORG(コルグ)からはPCM音源を採用した「M1」といったシンセサイザーが出て、コンサートシーンで使われ始めていました。

 あまりにプリミティブな家庭用ゲーム機の音に頭が痛くなってしまい、任天堂に「PCM方式の音源をゲーム機に入れさせてください」と飛び込みました。たまたま開発責任者の上村(雅之)さんが会ってくれ、結果「スーパーファミコン」の音源に採用され、圧倒的に家庭用ゲーム機の音がよくなりました。

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