「分布域が急に変わったりして、周りに交配相手がいないと、1個体だけで子供をつくる自家生殖が進化するんです。例えば、10万年単位の氷河期、間氷期のサイクルで分布域が分断されたとき。自家生殖ができると短期的には絶滅が避けられるわけですけど、遺伝的な多様性が減るので、中長期的には絶滅率が高くなる。短期的には進化であり、適応なんだけど、長い目では絶滅しやすくなる、そういう進化があるんじゃないか、という話です」
ダーウィンは、こういう考察を、自分自身がいとこにあたる女性と結婚し、子どもが病弱だったことにも結びつけていて、ある意味切ない挿話である。