先週末、番組トップギアで、メキシコに親切ではない言葉をつい出してしまいました。もっと明確にいうと、この中央アメリカ人のことを怠け者で無気力だと言いました。

 さらにメキシコの食事は、吐いたものを揚げ直したようだとも、ロンドンにいるメキシコ大使は寝ているだろうから苦情はしないに違いないとも言いました。
しかし実際に大使から苦情があったので、もし彼が寝ていたとすると、きっと誰かが彼を起こし、その苦情によって国際的な問題になったわけです。

(中略)
 
 よく世間の人々は、メキシコ人が得意なことと言えば、ビジネスマンの誘拐とアーノルド・シュワルツネッガーのプールの掃除とヘロインの栽培だけと言いますが、私はそんなことはないとわかっています。なぜなら、私は一度メキシコを訪れ、昼食をとりましたがとてもいい感じでした。そして誰も私を誘拐などしませんでした。しかもウェイトレスがとても美人だったことも覚えています。

 そして伝説とも言えるメキシコの工学技術に触れると…。もし私に心臓のペースメーカーが必要になり、例えばスイス製とメキシコ製から選ぶことになれば、絶対メキシコ製のを選ぶでしょう。さらに…(中略)

 と言うわけでありまして、メキシコと国民のみなさまへ率直に謝罪する次第です。番組の一部で、怠け者で無気力と呼んでしまい本当に申し訳ありません。もちろん実際は違います。しかしながら質問もあります。みなさんは少しユーモアというのが欠けているのではありませんか。

 例を挙げましょう。もう何十年もフランス人たちは我々イギリス人を料理ができないとバカにしてきました。オーストラリア人は我々が風呂に入らず不潔だと言い、アメリカ人は我々の歯が腐った黄色い切り株のようだと言います。

 ほとんどのイタリア女性は大きな声で、イギリス人とベッドインするくらいならネズミと入ったほうがマシだとか、中には多分ネズミとあまり差はないとまで言われていますが、それらだってスコットランド人が言ってることよりはマシです。

 我々はこれらのどれも気にしません。なぜなら害のないものだからです。そして害がないからこそ、我々のほうもこきおろします。私がフランス人を傲慢だと言うときは、彼らが本当に傲慢で嫌いなので、全員とっとと死んで欲しいという意味ではないのです。私の本当の意味は、「彼らは傲慢だ、さぁビールでも飲もうか」と言いたいだけなのです。

アメリカのコメディアンが指摘していたように、イギリス人だけが友人を紹介するときに、「ビリーを知っているかい?こいつはちょっと最低なヤツなんだ」と言うのです。それが我々です。そして我々は自分たちのこともジョークにします。

(中略)

 もちろん無礼なユーモアはすべて禁止せよといった動きもイギリスでは出てくるでしょう。しかし人々がよくわかっていないのは無礼なしにはジョークは成り立ちません。

 誰ひとり不機嫌にならないジョークを1つたりとも聞いたことがありますか。
ということで、ひとつ例をここにあげておきます。


問:どうしてメキシコにはオリンピック選手団がないのか?

答:それは走ったり、跳んだり、泳いだりが得意な人はすべて、国境を超えるからです。

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