重い怪我や愛する人を失うこと、戦闘などのトラウマを受けた後の数カ月~数年間をどのように過ごしたかを調べた。その結果、トラウマを乗り越えた「サバイバー」の65%が「レジリエンス(再起力)のある軌跡(resilient trajectory)」を示し、心理的に安定した状態を保っていた。

 さらに驚くべきことに、多くのサバイバーが、トラウマの後に幸福感が増していたのだ。

 衝撃的な出来事の後、多くの人が一からやり直し、自分の優先順位をあらためて考える。自分の価値観に合わせてキャリアを変えたり、疎遠になっていた友人と久しぶりに連絡を取ったりするかもしれない。より大きなパーパスや、より強い社会的つながりを感じ、あるいは精神性を深める人も少なくない。

 これは心理学で「心的外傷後成長(PTG:posttraumatic growth)」と呼ばれるもので、ごく一般的な経験である。トラウマのサバイバー1万人以上を対象としたメタ解析によれば、その約50%が少なくともある程度のPTGを経験していた。

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