「タダで見る」ってことがどうしても、しっくりこないんですよね。漫画というのは、高いものだったんですよ。僕らが小学生の頃は単行本が220円から250円くらい。とてもじゃないけど、買えない代物だったんですよね。本屋も立ち読みさせたくないから、子供の手が届かない高い棚に並べてた。それを眺めながら「いいなあ、お金が貯まったら、あの単行本がほしいなあ」って憧れていたんです。そういう世代なので、「タダで見る」って、それ漫画の見方じゃないよな、って。漫画は憧れの対象で、背伸びして一所懸命、手に入れるものだったのに――映画にせよ、音楽にせよ、事情は同じだったはずなんですよね。それがタダになると、憧れもへったくれもなくなっちゃう。

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