日本政府の負債は1941年3月の310億円から1946年3月には2,020億円に膨張しました。そこで日本は預金封鎖を実行したのです。このときの預金封鎖は、大成功しました。
預金封鎖は、経済学ではcapital levy(預金税)と言います。わかりやすい表現に直せば、実際には、自分の銀行預金通帳の残高の一部が、ある日、こつ然と消滅することを指します。
1946年3月3日の時点で、10万円以上の資産を持っている世帯は10%の預金税が課せられました。つまり10万円の残高が翌日から9万円の残高になったのです。
そこから累進的に最高で1,500万円以上の資産を持つ世帯には90%の税金が課せられました。言い直せば1,500万円の通帳の残高が、わずか150万円になったのです。
日本の私有財産全体の約9%を没収するというこの預金封鎖の試みは、当初の概算額とほぼ同等の成果を挙げ、世界でも稀に見る成功例となりました。