神経細胞による情報の符号化を説明しようとした理論は2つある。「発火率表現」モデルと「タイミング表現」モデルだ。
発火率表現モデルは、一定期間に何回スパイク(神経細胞の発火)が起きるかに情報が載せられているという考え方だ。一方、タイミング表現モデルでは、モールス信号のようなさまざまな発火パターンがあり、そのパターンに情報が載っていると考える。
だが、このタイミング表現モデルには難問がある。次に発火するまでの期間が「長い」または「短い」というなら、長いまたは短いとする基準が必要になる。つまり、メトロノームのように一定のリズムを刻む何かが脳に備わっている必要があるのだ。