ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンも、6例の血小板減少を伴う血栓症、うち1人の死亡が報告されたことから、アストラゼネカ製ワクチンと血栓症の関連を踏まえて接種が一時停止される事態となった。のちに約800万回分の接種をさらに検証したところ、追加で9例の血栓症が確認され、その全員が女性だったという。こちらは約100万人に1〜2人の割合で血栓症が発生する計算だ。4月26日の時点では、ワクチンの利益がリスクを大幅に上回るとして、J&Jのワクチンも接種が再開されている。
どちらのワクチンも、SARS-CoV-2のスパイクたんぱく質遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを使用。血小板が減少した状態で血栓が発生するという珍しい状態で、接種後1〜2週間ほどで発症すると見られている。しかし、なぜ血栓症に比較的若い女性が多いのかについては、いまだにそのメカニズムに対する証拠が不十分で理由はわからないままだという。