アップル社の創始者であるスティーブ・ジョブズ氏は、膵がん(の中でも進行が遅い特殊タイプ)で亡くなった。彼は2003年に膵がんが発見された後、手術を拒み、種々の療法を試したようだ。しかし9カ月後、検査で膵がんの増大が判明し、手術を受けた。その後、08年に肝転移が判明し、2011年に亡くなった。生前ジョブズ氏は、がんを放置したことを悔いていたというが、天才的なジョブズ氏でも見落としたことがある。肝転移のような臓器転移は、初発巣が発見されるはるか以前に成立しているという事実だ。膵がんばかりでなく、胃がん、肺がん、前立腺がん等あらゆる固形がんで、初発巣が検査で発見可能な大ききになる前に、がん細胞が他の臓器に転移している。

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