2000年4月。初めてNapsterを訴えたアーティストの名が報道されたとき、アメリカ中が驚いた。80年代から90年代にかけて最もCDを売ったバンド、メタリカはもともと海賊版コピーを活用してファンベースを築き上げたことで有名だったからだ。
グレイトフル・デッドに習い、メタリカはファンたちにライブの録音、テープのフリー トレードを積極的に推奨してきた。だからNapsterでライブのブートレグが流通するのはOKだった。だが、マスター音源がNapsterで流通しているのは、一線を超えているというのがラーズ・ウルリッヒたちの考えだった。