新型コロナウイルスの感染で急に嗅覚を失った患者は、感染から1年でほぼ全員が嗅覚を取り戻していたことがフランスとカナダの研究者らの研究で明らかになった。多くの場合で嗅覚は数週間以内に回復するものの、なかにはその喪失が数カ月続く人たちもおり、この障害が一生続くのではないかと心配する患者も出ていた。
しかし、嗅覚障害が始まった4カ月後には51人のフランス人患者のうち41人(84%)が嗅覚を取り戻しており、8カ月後にはさらに6人がそれぞれ嗅覚を取り戻したという。初診から1年後も嗅覚の低下が続いていた患者は2人だけだった。今回の研究では、嗅覚異常が始まってから12カ月後に96%の患者が回復しており、多くの人々にとって嗅覚の喪失は永続的な後遺症ではないことが示唆されている。